Samuel Rubio による、アントニオ・ソレール作品目録では、鍵盤楽曲は153番で終わっている。

 以下の6つの作品は、Enrique Igoa によって、新たに番号が付けられたものであるが(注1)、この内、154番と157番の2曲は Rubio のカタログで言及されているにもかかわらず、作品番号が与えられなかった作品である。

 これら2曲の内、第154番は、実際には、Rubio によって出版されているが、UME から出ている7巻から成るソナタ集には含まれていない。これに対して、第157番は、Frederick Marvin が校訂し、Henle社出版の曲集に収められている。

 残りの4曲(第155, 156, 158, 159番) に関しては、第155, 156, 159番の計3曲は、後に Scala Aretina 社から刊行されたソナタ集にて、最初に出版された作品であるが、第155番及び156番は、ドメニコ・スカルラッティの研究者として名高い Kirkpatrick には既に知られていた。しかしながら、彼は、これらの作品を、スカルラッティではなく、ソレールの手による楽曲と判断した為、世に出すことはなかった。
 従って、Rubioの目録に新たに6曲を追加しているものの、Igoa の曲集では、第158番を除くと、残りは既出版のソナタである。第157番については、その手稿譜が、現在、行方不明になっており、故に、彼自身の校訂を経て新たに出版することが不可能となったため、Igoa の曲集では、番号のみが言及されている

 上述した通り、彼が新たに番号を振った6作品の内、5つは初めての出版ではないものの、出版を予定していたにもかかわらず、最終的に、Rubio が世に出すことなく幻となってしまった第8巻の大部分が、作品目録未収録の5曲、すなわち第157番以外の楽曲と共に、Igoa の編んだ曲集によって、1980年の目録編纂より32年の歳月を経てようやく日の目をみることとなった。




注1 正確には、仏 Astrée レーベルから1992年に発売された Bob Van Asperen 演奏による世界初となったソナタ全集録音 (Antonio Soler : Intégrale de l'œuvre pour clavein) にて、第154番として紹介されたのが最初であり、これに続けて、 Igoa は155番以降の作品番号を割り当てたと彼の曲集で述べている。


※ 2016年1月12日 誤解を招く記述があったため記事を訂正しました。 緑字の部分は、本日、追加・訂正した部分です。




Thematic Index 154-159新-1